iPhoneで4K動画を撮影していると、すぐにストレージ容量が足りなくなってしまう。ノートパソコンで仕事をしようとすると、USBポートが足りずに周辺機器の接続に困る。そんなモバイルワーカーやクリエイターの悩みを一気に解決してくれるのが、ORICOから登場した「マグネット式 M.2 ドッキングステーション 8-IN-1 USB C ハブ」です。

本製品の最大の特徴は、M.2 2230 SSDを内蔵できるストレージ拡張機能と8ポートもの拡張性を、わずか6.4cm四方のキューブ型筐体に凝縮し、さらにMagSafeでスマホに貼り付けて使えるという革新的な設計にあります。
本記事では、この次世代ガジェットを実際に使用し、その詳細なスペックから実使用感、購入前に知っておくべき注意点までを余すところなくお伝えします。
◆ORICOマグネット式 M.2 ドッキングステーション8-IN-1USB Cハブ
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製品概要とスペック│小さなボディに詰め込まれた拡張性

ORICOのマグネット式M.2ドッキングステーションは、単なるUSBハブの域を大きく超えた製品。まずはその基本スペックを下表で確認していきましょう。
基本仕様一覧
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 📦 製品名 | ORICO マグネット式 M.2 ドッキングステーション 8-IN-1 USB C ハブ |
| 🔢 モデル番号 | OM28P(MG7シリーズ) |
| 🎨 カラー | シルバー オレンジ ブルー |
| 📐 サイズ | 6.4 × 6.4 × 1.2 cm |
| ⚖️ 重量 | 約 53g (実測 約54g) |
| 🔩 材質 | 金属 + ABS |
| 🔌 インターフェース |
USB-C:10Gbps(データ転送)× 1 USB-A:複数ポート搭載 ※ ポート内訳は公式製品ページでご確認ください |
| 💾 M.2 SSDスロット | M.2 NVMe 2230 専用 最大 2TB |
| 🖥️ ビデオ出力 | HDMI 4K@60Hz |
| 💳 カードリーダー | SD / TF(microSD)スロット(3.0) |
| 🎧 オーディオ | 3.5mm AUXポート 独自 |
| ⚡ 充電 | USB-C PD 100W パススルー対応 |
| 🖥 対応OS | Windows macOS iOS Linux |
このスペック表を見てまず驚かされるのは、そのポートの充実ぶり。4K@60Hz出力に対応したHDMIポートは、大画面での動画編集やプレゼンテーションにおいて、カクつきのないなめらかな映像を約束します。
また、最大10Gbpsの転送速度に対応するUSBポート群は、大容量の動画ファイルもあっという間に転送可能。さらに、SD/TFカードスロットを備えている点も見逃せない。カメラで撮影したデータを直接本機のSSDにバックアップするといったワークフローも、ケーブル1本で完結する。
なぜ今「M.2 2230」なのか?ストレージ規格の選定理由

本製品が対応するSSDは「M.2 2230」という、やや特殊なサイズのNVMe SSDであること。一般的なノートパソコンに採用されているM.2 2280(長さ80mm)と比較すると、2230(幅22mm、長さ30mm)は非常にコンパクトである。この小型SSDを採用することで、本体サイズを6.4cm四方に抑えることに成功しているのです。
米国の半導体業界団体JEDECが策定する固体ドライブの規格においても、フォームファクターの小型化は重要なトレンドの一つ。この2230サイズは、主にSteam DeckやROG AllyといったポータブルゲーミングPCや、一部のタブレットで採用が進んでおり、今後ますます市場が拡大すると予想される分野です。
開封 付属品の質感と本体の作り込み

それでは、実際に製品を手に取ってみよう。パッケージを開けると、まず本体がお目見えする。その下からは、充実した付属品が顔を出す。
付属品一覧
| # | 付属品名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | ORICO マグネット式 M.2 ドッキングステーション 本体 | メイン |
| 2 | USB-C to C ケーブル | 長さ約13cm |
| 3 | マグネットリング | MagSafe非対応ケース用 |
| 4 | サーマルシリコンパッド | ×2枚 |
| 5 | 小型ドライバー | — |
| 6 | 固定用ネジ | — |
| 7 | ユーザーマニュアル | — |

付属のUSB-Cケーブルは短めに設計されており、スマホに本体を貼り付けた状態で使用する際に、ケーブルが邪魔にならないよう配慮されている。


また、サーマルシリコンパッドが2枚付属している点は好印象だ。M.2 SSD、特にNVMe規格のものは動作時に高熱を発するため、このパッドを介して本体筐体に熱を逃がす放熱設計がしっかりと考慮されている証拠である。
ポート構成は以下





MagSafe磁気力は本当に大丈夫?

本体をiPhoneの背面に近づけると、強力な磁力で「カチッ」という感触とともに吸着。この磁力は予想以上に強力で、本体を持ってスマホを持ち上げても全く外れる気配がありません。

実際に使用してみた印象では、力を入れないと外せないほどしっかりと固定されるため、使用中に落下してしまう心配はほぼ無いと言っていいとおもいます。厚みのあるケースを装着した状態でも、付属のマグネットリングをケース内側に貼り付けることで、安定した吸着力を確保できる点も◎。
使用体験 クリエイターのワークフローを変える5つのシナリオ
ここからは、実際の使用シーンを想定しながら、本製品の実力を詳細に検証していく。
iPhone ProでProRes動画を直接SSDに保存

本製品の最大のウリとも言える機能が、iPhone 15 Proシリーズ以上で撮影可能な「ProRes動画」の外部SSDへの直接保存だ。ProRes動画は編集に適している反面、データ量が膨大になることが知られている。例えば、4K/30fpsで10分間撮影すると、なんと約60GBもの容量を消費する。本体ストレージが512GBモデルでも、すぐに残容量が逼迫してしまう計算だ。

そこで本製品の出番となる。M.2 2230 SSDを装着した本機をiPhoneにMagSafeで貼り付け、付属のUSB-Cケーブルで接続する。カメラアプリを開き、フォーマットを「Apple ProRes」に設定し、録画ボタンを押す。すると、なんと撮影データが本体内部のSSDに直接記録されていく。この体験は、ストレージ容量の呪縛から解放されるという表現がぴったりだ。さらに、3.5mmオーディオポートには外部マイクを接続できるため、高音質な録音も同時に実現できる。
SSDのセットアップ手順と注意点
本製品を使用する前に、いくつかの重要な準備があります。

まず、別途購入したM.2 2230 SSDを本体に取り付けなければなりません。付属のドライバーで側面のネジを外し、カバーを開けます。

内部の基板にSSDを差し込み、付属のサーマルシリコンパッドを貼り付けて、ネジで固定するだけ。
デスク周りがすっきり ノートPCの拡張ハブとして

自宅やカフェでノートパソコンを使用する際にも、本製品は強力な味方となる。昨今の薄型ノートパソコンはUSB-Cポートが少なく、HDMIポートすら搭載していないモデルも珍しくない。本製品をパソコンに接続すれば、一気に8つのポートが利用可能になる。

4Kモニターに接続して作業領域を広げながら、PD給電でノートパソコンを充電しつつ、マウスやキーボードのレシーバーを接続しても、まだポートに余裕があります。従来のドッキングステーションは大型で持ち運びに適さなかったが、本製品ならポケットに収まるサイズなので、出張先でも自宅と同じ快適な環境を再現できます。
データ転送速度の実測と体感

USB 3.2 Gen 2規格の最大の魅力は、理論値10Gbpsの高速転送。実際に約10GBの動画ファイルを本製品経由でSSDにコピーしてみたところ、おおよそ10数秒で転送が完了しました。

これは、1GBのファイルなら約1秒で転送できる計算。カメラのSDカードからデータを吸い出す際も、本機のSDカードスロットにカードを挿入すれば、パソコン内蔵のカードリーダーよりも高速にデータにアクセスできる場合が多い。撮影現場でのデータバックアップ作業が、劇的に効率化されることは間違いない。やばすぎる!
知っておくべき4つの制限事項とその対策
完璧に見える本製品にも、いくつかの注意点が存在する。購入前にこれらを理解し、対策を講じておくことが、快適な使用への近道です。
注意事項まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ⚡ 消費電力 | 4.5W超のSSDは電力不足で接続が不安定になる可能性あり。録画中の切断を防ぐには、PDポートに外部バッテリーまたはACアダプターを接続して本体に給電しながら使用することを推奨。 |
| 💾 SSD別売り | 本製品にSSDは付属しません。M.2 2230 NVMe SSDを別途購入する必要があります。目安:500GB → 約5,000円、1TB → 約8,000円前後(メーカー・容量により異なる)。 |
| 🔌 PD充電方式 | PDポートは100W対応ですが、本体へのバッテリー内蔵はなし。スマホやPCへの電源「パススルー」専用ポートです。バッテリー機能があると誤解しないよう注意。 |
| 🧲 マグネット機能 | マグネット式とは磁力で固定する機能のみを指します。ワイヤレス充電ではありません。データ転送・給電はUSB-Cケーブル経由で行います。 |
競合製品との徹底比較 何が違う?何を選ぶべき?
市場には多数のUSBハブやSSDケースが存在する。本製品の独自性を明確にするため、他の選択肢と比較してみよう。
従来のUSBハブ+外付けSSDとの比較
従来、スマホの容量不足を解決するには、外付けSSDとUSBハブを個別に購入し、それらをケーブルで接続する方法があった。しかし、この方法では机の上がケーブルだらけになり、持ち運びにも不便だ。本製品は、それらを一体化したことで、以下の点で優位性を持つ。
- 携帯性: ケーブル類を含めても、従来の組み合わせより圧倒的にコンパクト。
- 操作性: MagSafeでスマホに固定できるため、撮影中もデバイスが一体化して扱いやすい。
- 安定性: 接触箇所が減ることで、接続不良のリスクを低減できる。
他社M.2ハブ製品との機能比較表
同様のM.2 SSDケース一体型ハブは、他社からも販売されている。ここでは、主要な競合製品と本製品の機能を比較してみる。
| 機能 / 製品名 | ORICO 8-IN-1 本製品 |
他社A製品 例: UGREEN |
他社B製品 例: Anker |
|---|---|---|---|
| M.2 SSDサイズ | 2230 (NVMeのみ) | 2280 (NVMe/SATA両対応) | 2242 (NVMeのみ) |
| MagSafe対応 | ◎ 強力マグネット内蔵 強み | △ 別売りリングなど | △ 別売りリングなど |
| 最大転送速度 | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps |
| ビデオ出力 | 4K@60Hz HDMI | 4K@60Hz HDMI | 4K@30Hz HDMI |
| カードリーダー | SD/TF (3.0) | SD/TF (3.0) | なし |
| オーディオ端子 | あり (3.5mm AUX) 独自 | なし | なし |
| 最大の強み | スマホとの親和性が 極めて高い |
汎用性の高さ (SSDサイズ) |
ブランド 信頼性 |
この比較表からも分かるように、本製品は「スマホとの連携」に焦点を当てた設計となっている。特にMagSafe対応とオーディオ端子の存在は、スマホでの動画撮影を重視するクリエイターにとって、他社製品にはない明確なアドバンテージです。
【Q&A】

- Qこの製品を使うには、特別なSSDを別で買わないといけないんですよね?どれを買えばいいか教えてください。
- A
はい、おっしゃる通りです。ORICOマグネット式M.2ドッキングステーションには、SSDは付属していませんので、別途ご購入いただく必要があります。
対応しているのは「M.2 2230 NVMe SSD」というタイプのSSDです。これは、一般的なノートパソコンで使われているM.2 2280(長さ80mm)よりもずっと小さなサイズ(幅22mm、長さ30mm)のSSDで、主にSteam DeckやROG Allyといったポータブルゲーム機で採用されているものです。
購入の際のポイントは以下の2点です。
- フォーマット形式: 新品のSSDを初めて使うときは、パソコンで「exFAT」形式にフォーマットしてからスマホに接続しましょう。そうしないと、スマホが正しく認識しないことがあります。
- 消費電力: iPhoneなどスマホのバッテリーだけで使う場合は、消費電力が4.5W以下の省電力モデルを選ぶのがおすすめです。消費電力が大きいSSDを使うと、接続が不安定になり、動画撮影中に止まってしまうことがあります。長時間の撮影や大容量のSSDを使いたい場合は、本体のPDポートから外部バッテリーなどで給電しながら使いましょう。
- QMagSafe対応とありますが、iPhoneにくっつけたままワイヤレス充電もできるんですか?
- A
いいえ、この製品のMagSafe機能は「くっついて固定する」ためのもので、ワイヤレス充電機能は搭載されていません。
製品名の「マグネット式」は、MagSafeのように強力な磁石でiPhoneの背面にピタッと固定できるという意味です。これにより、本体がスマホと一体化するので、ケーブルが邪魔にならず、片手でもとても操作しやすくなります。
充電が必要な場合は、本体に搭載されているUSB-C PDポート(最大100W対応) に別途ケーブルを接続して行います。このポートを使えば、スマホを充電しながらデータの転送や動画撮影を同時に続けられるので、バッテリー切れの心配がありません。
- QiPhone 15 ProでProRes動画を撮影しながら、同時に外部マイクって使えるんですか?
- A
はい、可能です。これがこの製品の大きな強みの一つです。
本体には3.5mmオーディオポートが搭載されています。ここに外部マイクを接続すれば、ProRes動画の撮影中に高音質な音声を同時に録音できます。
従来、iPhoneで外部マイクを使うには、LightningまたはUSB-C接続のマイクを使うか、オーディオインターフェースを介する必要がありましたが、この製品を使えば、SSDへの保存、給電、外部マイク接続を1つのドックで全て同時に実現できます。まさに、モバイルクリエイターのためのオールインワンソリューションと言えるでしょう。
- Qパソコンでも使えますか?MacとWindows、両方に対応していますか?
- A
はい、もちろんお使いいただけます。本製品は、パソコンの拡張ハブとしても非常に優秀です。
対応OSは、macOS、Windows、iOS、Linuxなど、幅広いシステムをカバーしています。MacBook Pro/AirやWindowsノートパソコンに接続すれば、以下のような使い方が可能です。
- HDMIポートで外部モニターに4K/60Hzの高画質出力
- PDポートからノートパソコン本体に給電しながら使用
- USB-A/USB-Cポートでマウスやキーボード、USBメモリを同時接続
- SD/TFカードスロットでカメラのデータを直接取り込み
薄型ノートパソコンはポート数が少ないモデルが多いですが、この製品一つで一気に拡張性が広がります。出張先でも、このドックがあれば自宅のデスク環境と同じように作業ができ
- Qスマホに貼り付けて使うと、発熱が心配です。大丈夫でしょうか?
- A
ご心配はごもっともです。特にNVMe SSDは高速な分、発熱しやすい傾向があります。しかし、本製品はその点をしっかり考慮した設計になっています。
本体パッケージには2枚のサーマルシリコンパッドが付属しており、SSDを装着する際にこれを貼り付けることで、SSDで発生した熱を金属製の本体筐体に効率よく逃がす構造になっています。つまり、本体全体がヒートシンク(放熱器)の役割を果たすのです。
また、長時間の撮影などでさらに発熱が気になる場合は、PDポートから外部電源を接続することで、スマホのバッテリー消費を抑えつつ、安定した動作をさせることができます。通常の使用範囲であれば、この放熱設計で十分に温度はコントロールできるので、ご安心ください。
総合評価とおすすめユーザー像

約1週間にわたり本製品をテストした結果、その完成度の高さに感心させられた。特に、スマホを中心としたモバイル環境において、その真価を発揮します。
メリット・デメリット
こんな人にこそ手に取ってほしい
本製品は、万人におすすめできる万能ガジェットではない。しかし、以下のような特定のユースケースに当てはまる人にとっては、まさに「最高の相棒」となるだろう。
- iPhoneで本格的な動画撮影をするクリエイター
iPhone 15 Pro以降でProRes動画を撮影するなら、もはや必須のアクセサリーと言える。ストレージ容量の心配から解放され、撮影に集中できる環境が手に入る。 - 持ち運ぶデバイスを最小限にしたいミニマリスト
ノートパソコン、スマホ、そしてこのドッキングステーション一つあれば、オフィスでもカフェでも、あらゆる周辺機器を接続できる環境を構築できる。 - デスク周りのケーブルを徹底的に整理したい人
外付けSSDとハブが一体化しているため、デスク上はケーブル1本でスッキリとする。MagSafeでスマホに貼り付けられる点も、デスク周りの整理に貢献する。
ORICOというメーカーは、かつては「コストパフォーマンス重視のメーカー」というイメージが強かったかもしれない。しかし、本製品は違う。
ユーザーの潜在的なニーズを深く洞察し、それを実現するための高度な技術と、細部にまで行き届いた設計思想が感じられる。モバイル環境における「ストレージ」と「拡張性」という二つの永遠の課題に対して、一つの完成された解を示した本製品は、今後のモバイルガジェットの在り方を変える可能性を秘めた、意欲作なのです。
ORICOという企業について知ろう

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企業名 | ORICO /(オリコ) |
| 公式サイト | https://orico.global |
| こんな人におすすめ | スマホやPC周りをもっと便利にしたい人、おしゃれで機能的なガジェットを探している人、コストパフォーマンスの良い製品を求める人 |
ORICOは2009年に設立された、スマートデジタル周辺機器の開発・製造を行うグローバル企業です。「データと電力の保存・伝送」という分野に特化し、USBハブ、外付けSSDケース、充電器、ケーブルなど、私たちのデジタルライフを支える製品を数多く手がけています。
同社の最大の魅力は、高い技術力と優れたコストパフォーマンスです。約100名の専門的な研究開発チームを擁し、毎週のように新製品を生み出しています。生産拠点には「5S管理」と呼ばれる徹底した品質管理体制を導入し、年産能力は400億元(約6億ドル)以上と、そのものづくりの規模の大きさがわかります。
ORICOは「使い慣れた生活様式を変え、より良い生活のためのより良い選択肢を提供する」ことをブランドの使命としています。つまり、私たちが普段「もっとこうだったらいいのに」と感じる小さな不便を、先進的で手の届きやすい製品に変えてくれるメーカーなのです。このM.2ドッキングステーションも、そんなユーザー目線の革新性が詰まった一品と言えるでしょう。

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