「SSDが以前より高くなっている……」
自作PCユーザーやノートPCのアップグレードを検討している方の多くが、今そう感じているはずです。2023年に底を打ったSSD価格は、2024年を通じて右肩上がりに上昇し、2025年現在もその勢いは衰えていません。
本記事では、半導体市場のサプライチェーンや世界的なAI需要の動向を分析し、なぜSSDの価格が上がっているのか、そして今後価格が下がる見込みはあるのかを詳しく解説します。
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なぜSSD価格は上がり続けるのか？4つの核心的理由
SSDの価格を左右するのは、主要パーツである「NANDフラッシュメモリ」の需給バランスです。現在の高騰には、以下の4つの要因が複雑に絡み合っています。
1. 主要メーカーによる「戦略的減産」の継続
2022年から2023年にかけて、SSD市場は極端な供給過剰に陥り、メーカー各社は巨額の赤字を計上しました。これを受けて、Samsung、SK hynix、キオクシア（Kioxia）、Micronといった大手メモリメーカーは、30%〜50%に及ぶ大幅な減産を実施。
この「供給の蛇口を絞る」戦略が2024年に効果を発揮し始め、市場在庫が枯渇したことが価格上昇の直接的な引き金となりました。
2. 生成AI向けエンタープライズSSDへの生産シフト
現在、半導体メーカーの最優先事項は「AI」です。データセンターで使用される超大容量の企業向けSSDは、個人向けSSDよりも利益率が圧倒的に高いため、メーカーは限られた生産リソース（ウェハ）をAIサーバー向けに優先配分しています。その結果、一般消費者向けのチップ供給が後回しにされています。
3. 円安による輸入コストの上昇
日本国内においては、為替相場の影響も無視できません。SSDの主要メーカーは海外企業が多いため、為替が円安に振れると、米ドル建ての仕入れ価格がそのまま国内販売価格に転嫁されます。
4. 製造プロセスの高度化（積層化）によるコスト増
最新のSSDは、メモリセルを垂直に積み上げる「3D NAND」技術が使われていますが、232層、さらにその先へと積層数が増えるにつれ、製造工程の難易度と歩留まり（良品率）の維持コストが上昇しています。これが製品単価を押し上げる要因となっています。
SSDの価格推移とスペック比較！2024年 vs 2025年
実際にどの程度の価格差が出ているのか、市場で人気の高いスペックを例に比較してみましょう。
容量・規格別の市場平均価格比較表
| 規格 | 容量 | 2023年（底値期） | 2025年（現在） | 騰落率 |
| NVMe Gen4 | 1TB | 7,800円 | 16,500円 | +111% |
| NVMe Gen4 | 2TB | 13,500円 | 29,800円 | +120% |
| NVMe Gen5 | 2TB | 35,000円 | 55,000円 | +57% |
| SATA 2.5inch | 1TB | 6,500円 | 12,000円 | +84% |
上記の表からわかる通り、特に「1TB〜2TB」という最も売れ筋のボリュームゾーンにおいて、価格が2倍以上に跳ね上がっているのが現状です。
失敗しないSSD選び｜用途別のおすすめモデル
価格が高騰している今だからこそ、スペック不足で買い直すような失敗は避けなければなりません。特に「外付けSSD」は、動画編集やゲーム機の容量拡張として需要が高まっています。
それではおすすめ外付けSSDをご紹介します。
| 商品名 | 容量 | 最大速度 (読込/書込) |
接続方式 | 特徴 | 重量 | サイズ (長さ×幅×厚さ) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1TB | 1050MB/s / 1000MB/s | USB 3.2 Gen 2 (Type-C) | MagSafe対応、動画撮影向け | 36.5g | 6.4cm × 6.4cm × 1.24cm | |
| 1TB | 1050MB/s / 1000MB/s | USB 3.2 Gen 2 | 防塵・防滴(IP65)、iPhone対応 | 約52g | 約4.96cm × 約9.62cm × 約0.89cm | |
| 1TB | 最大800MB/s | USB Type-A | 高耐久性、暗号化ソフト付き | 約40g | 約9.91cm × 約4.69cm × 約0.96cm | |
| 1TB | 最大460MB/s | USB C & USB A | 軽量・コンパクト設計 | 約99.79g | 約6.2cm × 約6.9cm × 約1.3cm | |
| 1TB | 最大1050MB/s | USB-C & USB-A | 軽量・携帯性抜群、4K ProRes撮影対応、2in1ケーブル付属 | 約135g | 10.7cm × 4.3cm × 1.1cm |
大人気SanDisk SSD 比較ガイド
| モデル名 | 容量 | 最大転送速度（読込/書込） | インターフェース | 耐久性（IP規格） | 主なターゲットユーザー |
Creator Phone SSD
NEW
|
1TB/2TB | 1000MB/s / 950MB/s | USB 3.2 Gen 2 | IP65 | iPhone、Androidユーザー |
Extreme Portable SSD (Gen 2)
|
500GB/1TB/2TB/4TB | 1050MB/s / 1000MB/s | USB 3.2 Gen 2 | IP55 | 一般ユーザー、学生、ライトクリエイター |
Extreme PRO Portable SSD (Gen 2×2)
高速
|
1TB/2TB/4TB | 2000MB/s / 2000MB/s | USB 3.2 Gen 2×2 | IP67 | プロクリエイター、ハイエンドゲーマー |
PRO-G40 SSD
最速
|
1TB/2TB/4TB | 2700MB/s / 1900MB/s | Thunderbolt 3/USB 3.2 Gen 2 | IP66 | 映像プロフェッショナル、Macユーザー |
Desk Drive SSD
|
4TB/8TB | 1000MB/s / 900MB/s | USB 3.2 Gen 2 | ― | 映像プロフェッショナル |
コスパ重視: Extreme Portable SSDがおすすめ
プロ用途: PRO-G40 SSDまたはExtreme PRO
大容量保存: Desk Drive SSDで最大8TBまで対応
信頼性の高いブランドと最新のトレンドについては、以下の専門記事で詳しく紹介されています。
購入前にチェックすべき推奨記事
これらの記事では、SanDisk（Western Digital）のような世界シェアトップクラスの製品から、コストパフォーマンスに優れた最新モデルまでが網羅されています。
2025年後半から2026年の予測：価格は下がるのか？
多くのユーザーが気になる「今後の見通し」について、半導体業界の観測をもとに予測します。
短期的には「横ばい、または微増」
2025年内に関しては、劇的な価格下落は見込みにくい状況です。メーカー側は利益率を維持するために供給量を慎重にコントロールしており、需要が急減しない限りは現在の高止まり状態が続くと予想されます。
長期的な期待 次世代製造技術の成熟
唯一の希望は、300層を超える超高積層NANDの量産体制が整うことです。1枚のウェハから取れる記憶容量が増えれば、ビット単価（1GBあたりのコスト）が下がる可能性があります。しかし、これが一般ユーザーの末端価格に反映されるのは、2026年以降になると見るのが現実的です。
結論 今の買い時はいつ？
「今すぐ必要なら、迷わず買うべき」というのが筆者の見解です。
SSD選びで妥協してはいけないポイント
| チェックポイント | 推奨内容 |
|---|---|
| DRAMキャッシュ | DRAM搭載モデルを選択（メインドライブの場合） |
| 保証期間 | 5年保証付帯の製品を選ぶ |
| TBW値 | TLC方式など耐久性の高いモデルを選定 |
よくある質問（Q&A）
- QSSDの価格はいつ頃安くなりますか？
- A
残念ながら、2025年内は大幅な値下がりは見込みにくい状況です。主要メーカーが利益確保のために供給量を調整しており、AIサーバー向けの需要も依然として高いためです。もし価格が下がるとすれば、次世代の製造技術が普及し、供給が安定する2026年以降になると予測されています。
- Q安い「DRAMレスSSD」を買っても大丈夫でしょうか？
- A
データの保存用（サブストレージ）であれば問題ありません。しかし、OS（WindowsやMac）をインストールするメインドライブとして使う場合は、DRAMキャッシュ搭載モデルを強くおすすめします。DRAMレスは価格が安い分、データの読み書きが重なると動作が極端に遅くなる傾向があるためです。
- Q外付けSSDと内蔵SSD、今買うならどちらがおすすめですか？
- A
用途によりますが、利便性を考えるなら外付けSSDがおすすめです。最近は内蔵型と遜色ない速度が出るモデルも増えており、テレビ録画やゲーム機の容量拡張、動画編集データの持ち運びなど幅広く活用できます。価格高騰の影響はどちらも受けているため、必要な用途に合わせて選ぶのがベストです。
- Q今使っているSSDが故障しそうです。高騰が終わるまで待つべき？
- A
待たずに買い替えることを強くおすすめします。SSDが完全に故障すると、大切な写真や仕事のデータ復旧に数十万円かかるケースもあります。現在の価格上昇は数千円単位ですが、データ消失のリスクに比べれば微々たるものです。早めのバックアップと交換が、結果的に最も安上がりになります。
- Q円安の影響はどれくらいありますか？
- A
非常に大きいです。SSDの主要パーツは海外製のため、1円の円安が進むごとに国内価格もジワジワと上がります。世界的な需給バランスだけでなく、為替の変動によっても「昨日より高くなっている」ということが起こり得るのが現在の市場環境です。
まとめ
2025年のSSD市場は、まさに「AIによる地殻変動」の真っ只中にあります。かつての激安時代を基準に考えると今の価格は高く感じますが、性能面ではGen5の登場など、飛躍的な進化を遂げています。
「価格」だけを見るのではなく、そのSSDがもたらす「時間短縮」や「データの安全性」という価値に目を向け、信頼できるブランドの製品を選ぶことが、結果として最も経済的な選択になるでしょう。
最新の在庫状況や具体的な推奨モデルについては、先ほどご紹介した比較記事を参考に、あなたの環境に最適な1枚を見つけてください。
次にすべきこと
自分のPCやゲーム機に必要な容量（1TBなのか2TBなのか）を確定させ、セール情報の通知設定をしておくことをおすすめします。また、外付けSSDを検討中の方は、転送速度（10Gbpsか20Gbpsか）も合わせてチェックしておきましょう。
| モデル名 | 容量 | 最大転送速度（読込/書込） | インターフェース | 耐久性（IP規格） | 主なターゲットユーザー |
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Creator Phone SSD
NEW
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1TB/2TB | 1000MB/s / 950MB/s | USB 3.2 Gen 2 | IP65 | iPhone、Androidユーザー |
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Extreme Portable SSD (Gen 2)
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500GB/1TB/2TB/4TB | 1050MB/s / 1000MB/s | USB 3.2 Gen 2 | IP55 | 一般ユーザー、学生、ライトクリエイター |
|
Extreme PRO Portable SSD (Gen 2×2)
高速
|
1TB/2TB/4TB | 2000MB/s / 2000MB/s | USB 3.2 Gen 2×2 | IP67 | プロクリエイター、ハイエンドゲーマー |
|
PRO-G40 SSD
最速
|
1TB/2TB/4TB | 2700MB/s / 1900MB/s | Thunderbolt 3/USB 3.2 Gen 2 | IP66 | 映像プロフェッショナル、Macユーザー |
|
Desk Drive SSD
|
4TB/8TB | 1000MB/s / 900MB/s | USB 3.2 Gen 2 | ― | 映像プロフェッショナル |
コスパ重視: Extreme Portable SSDがおすすめ
プロ用途: PRO-G40 SSDまたはExtreme PRO
大容量保存: Desk Drive SSDで最大8TBまで対応
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